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Consulting コンサルティング

日本の経営者はSCMへの関心が薄い、という意外な調査結果があります。
一方で、イノベーションとデザインで高収益を上げている企業アップルの卓越したSCMが高収益に貢献していることはあまり知られていません。

ITやロジスティクスのイノベーションが企業に新たな次元の競争をもたらす今日、SCMは機能間にまたがる問題であり経営者のコミットは欠かせません。そのためには、経営者が自社のサプライチェーンに何が起きているのか、を客観的に捉えることが必須です。

バリューグリッド研究所は、御社のCOOの右腕となり、オペレーションズ・マネジメントに基づく判断、IT・プロセス・組織といった仕組みの導入をお手伝いします。

SCMの導入完了?

SCMの仕組みは、①の効率改善、を組織やITの形で導入したものです。この導入に完了、はあるかもしれませんが、常に見直しが必要です。ましてや、②の戦略的ポジショニングは経営判断であり、③のイノベーションはCOOがリードすべき取組みです。つまり、SCMは継続的な取組みであり、完了するのではありません。

  • 1. 効率改善
  • 2. 戦略的ポジショニング
  • 3. イノベーション

日本の経営者はSCMへの関心が薄い

日本の経営者はSCMへの関心が薄い、という意外な調査結果があります。これは「現場任せ」が通用した時代の負の遺産でしょう。サプライチェーンの運用を通して、日々顕在化するトレードオフとQCDFミックス組み換え要請への対処。これらに、経営者が対処しなければ、サプライチェーンは硬直化します。

アップル高収益の秘密

アップルはイノベーションとデザインで高収益を上げている企業です。しかし同時に、新製品導入の際に、既存製品は言うに及ばずその部品すらも殆ど残さず売り切る(使い切る)という卓越した在庫管理が高収益に貢献していることはあまり知られていません。

そして、そのオペレーションを変革したのが現CEOのティム・クックなのです。彼はアップルが崩壊寸前の悲惨な状態にあった1998年にオペレーション担当の副社長として入社し、一連のサプライチェーンプロセスの大改革を主導したのです。2004年のビジネスウィークのインタビューでも、スティーブ・ジョブズはアップルの成功は自分ではなくティム・クックのお陰だと語っているほどです。

自社のサプライチェーンを客観視する

まずは、経営者が自社のサプライチェーンに何が起きているのか、を客観的に捉えることが必須です。弊社は、御社COOの右腕となり、オペレーションズ・マネジメントに基づく判断、IT・プロセス・組織といった仕組みの導入をお手伝いします。
一般的なコンサルティングのフェーズと内容は下記のとおりです。

以下に、トレーニングの概要を示します。

フェーズ フェーズ

フェーズ1:ベンチマーキング診断、改善の方向性の策定

サプライチェーンを1.パフォーマンス、2.管理の容易性、3.管理の能力、の3つの軸でベンチマーキングします。例えば、アップルのサプライチェーンパフォーマンスが高いのは、管理能力が高いこともさることながら、製品数が少なく管理がし易いことも無視できません。

ベンチマークの結果に基づいて、改善の方向性を定めます。戦略の実現のためには、どの程度のサプライチェーンパフォーマンスが必要なのか、そのためには、管理能力を上げるべきか、複雑性をさげるべきか。そのためには、どのような施策が必要か。ベンチマーキング結果に基づいた、3つのケースと改善の方向性を下に示します。

ベンチマーク
ベンチマーク ベンチマーク ベンチマーク
ケースケース1 生産・輸送設備およびITプロセスの能力は平均的だが、管理の容易性が低い(サプライチェーンが複雑な)ため、パフォーマンスが伸びない状況です。
この場合は、サプライチェーンを簡素化することをまず検討します。製品構成など市場の要件で簡素化が不可能な場合は、さらに能力を高める投資が必要です。
ケースケース2 生産・輸送設備およびITプロセスの能力は高いが、パフォーマンスは平均的。能力を最大限活用していないと考えられます。
この場合は、一部の能力が他よりも低くボトルネックとなっているため他の能力を活かしきれていないのであれば、その能力の改善を検討します。機能間のトレードオフにおける戦略的ポジショニングがビジネスの方向性と一致していないのであれば、戦略的ポジショニングを修正します
ケースケース3 生産設備およびITプロセスの能力は高くないが、パフォーマンスは平均的。能力を最大限活用している状況です。
これ以上のパフォーマンスを求めるためには、生産設備、ITプロセスへの投資が必要です。

フェーズ2:サプライチェーンの再設計

改善の方向性に沿って、あるべき姿を策定します。ここでは機能間、つまり組織間、の突っ込んだ議論が必要です。

ここはまさに、オペレーションズ・マネジメントの出番であり、COOのリーダーシップが求められるところです。

例えば、複雑性を下げるためには、製品数の削減が最も効果的です。しかし、自社の売り物が減ることは、販売担当にとっては売上の減少に直結します。
そのため、この施策の実現のためには、例えば売上が減少しても販売担当の人事評価を下げないようなバックアップが必要でしょう。

会議

フェーズ3:サプライチェーンの再構築

あるべき姿を実現するための、ロードマップを策定します。ロードマップは、今後のサプライチェーン構築方針に他ならないため、5年程度先まで関係者で合意しておく必要があります。

ロードマップに基づき、詳細なソリューションを、組織、ガバナンス、プロセス/ルール、ツール/IT、の4つの観点で設計します。

その後、設計した詳細ソリューションの検証を兼ねて、特定の製品・マーケットなどの限られた範囲でパイロットプロジェクトを実施します。必要に応じてソリューションや改革ロードマップの修正を行い、検証されたソリューションを全社に展開します。

  • 組織
  • ガバナンス
  • プロセス / ルール
  • ツール / IT