株式会社バリューグリッド研究所 株式会社バリューグリッド研究所

Operations Managementオペレーションズ・
マネジメント

SCMマトリックスとトレードオフ

「主活動」については、オペレーションズ・マネジメント(OM)の考え方に基づいて現状整理と改善策の検討を行います。
主活動に関連する取り組みは、「①情報が流れて、②モノが流れ、その結果③カネが流れる」という情報・モノ・カネに関する因果関係と、「(1)戦略に基づいて(2)仕組みが作られ、その上で日々の(3)オペレーションが動く」という意思決定の階層という二つの視点で整理して、3✕3の”SCMマトリックス”(下図:Dellケースを題材にした SCMマトリックス)に当てはめることができます。

SCM施策の位置付けと関連を可視化する”SCMマトリックス”

SCMマトリックス上のある取り組みは、別の取り組みを“可能にする”関係にあります。
例えば、「直接受注」という①情報に関する(1)戦略が、「“旬”の部品を把握」という、①情報に関する(2)仕組みを可能にし、さらには「ダイナミックプライシング」という②モノに関する(3)オペレーションを可能にします。
そして、すべての取り組みの起点は①情報に関する(1)戦略であり、最終的なゴールは③カネに関する(3)オペレーション、すなわちキャッシュ・フローの最大化です。
SCMマトリックスを用いて主活動の現状を整理すれば、この流れのどこに断絶があるか、すなわち足枷を可視化することができます。

もし、ダイナミックプライシングを行うことで収益の増加を狙うのであれば、“旬”の部品を把握する仕組みは不可欠ですし、顧客のニーズを直接把握する受注戦略もまた不可欠です。
逆に、顧客と直接会話するコミュニケーション戦略やチャネルがあるにもかかわらず、そのような“他社に先駆けた情報”を活かしていなければ活用方法を検討すべきです。

この際に注意すべきは、機能間の“トレードオフ”です。
例えば、ダイナミックプライシングは短期的な収益の増加につながるものの、頻繁な価格変更はブランドに対する信頼性を毀損するリスクがあります。
収益も、ブランドの信頼性も譲れないというのであれば、双方を実現する方法が必要です。

オペレーションズ・マネジメントは戦略のインプリ(実装)

この、収益とブランドのどちらを、どの程度重要視するか、はまさに戦略的意思決定です。
OMはオペレーションズで企業の戦略的方向性を具体化する手法なのです。